テスト、特にこのプレシーズンテストにおいては
タイムを出すよりもたくさん周回する(距離を走る)ことの方が重要だということをよく聞きます。
プレシーズンテストは通常そのシーズンを戦う新車を走らせます。
まだ何もクルマについてチームやドライバーが理解できていない状態です。
設計通りの結果が出るのか、
想定外のことがどれくらい起こるのか、
何をどうすれば速く走らせることができるのか、
など、実際にクルマを走らせることで理解を進めるのがテストです。
多くのことを理解するためには多くの距離を走ることが必要であることが分かります。
各チームでテストプログラムを持っているため
単純に他チームとの比較は難しくなります。
F1は燃料をたくさん入れているクルマとそうでないクルマは明らかに動きが違います。
燃料の重さの点から言っても重いクルマは軽いクルマよりも遅いです。
タイヤが走る時の路面温度と合っていない場合も速く走れません。
実に多くの要因で速さが左右されてしまうので、
クルマが最も速く走れる状態を探っているプレシーズンテストの段階では
タイムに意味がないと言われる所以です。
それでは、周回数を多くこなしているチームはその年のシーズンでは有利なのか?
ということで言えば有利なのでしょう。
自分たちのクルマの最大を引き出すためにどうすればいいかという理解を進められるからです。
では周回数が多いチームのクルマが速いのか? と聞かれると、一概にそうとは言えません。
速いかどうかは、そのクルマの持っている素性がモノを言うからです。
他チームとの比較ができない中、タイムの情報しか手にすることができないテストの楽しみ方の一つに
周回数をこなしているチームのタイムが、日ごとに上がっていってるか? という見方があります。
もちろんいくつもの要因が絡み合って出た結果がタイムなので確実性のある見方はできません。
速いタイムが刻めなければそもそも速さの素性はないので、タイム順を見て楽しむのも一つです。
多方面から妄想を繰り広げて、開幕戦まで徐々にボルテージを上げていけるといいですね。
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