シーズン前1回目のテストはあっという間に終了してしまいました。
レギュレーションの大改変を受けて生み出された新しいクルマがどんなものかをいろいろチェックしていたら本当にあっという間でした。
テキスト情報や写真だけじゃなく、ダイジェストであれば走行映像もここから見ることができます。
まだ様子見の走りとはいえ、3日間もあればいろいろと話題に尽きません。
今回のテスト1回目を席巻したのはなんと言ってもこれじゃないでしょうか。
ポーパシング(ポーポイズ現象)と呼ばれる事象がほぼすべてのクルマに発生していました。
ポーパシングってなんぞや?
気になった方はすでに調べていることでしょう。
このブログはあまりテクニカルに偏らない内容というのが方針なので詳しい説明は他にお譲りします。
簡単にいうと、ダウンフォースというクルマを路面に押しつける力が
抜けたり、発生したり繰り返す現象を指しています。
クルマが路面から離れたり、近づいたりを繰り返すため、映像のようになってしまうのです。
このポーポイズ現象、ストレートで発生するならまだしも、
コーナーで発生するとなるとかなり厄介ですね。
レーシングスピードでコーナーを走っている時に路面にクルマを押さえつける力がなくなってしまうと
遠心力で吹っ飛ばされてしまいます。
ということはドライバーはコーナをレーシングスピードで走ることができなくなるってことですから。
自分が車を運転している時、
こんな風にずっと上下動を繰り返していたら
アクセルを踏むのはちょっと躊躇してしまいますよね。
長い時間運転してたら気分も悪くなりそうです。
もちろん速く走れないので、レースをする側にとっては解決しなければならない問題です。
でも調べてみたところ、このポーパシングはグランドエフェクトカーには付きものの問題です。
グランドエフェクトを追求した1979年のロータス80にも同様の問題が起こっていて
その解決に苦労していたようです。
ポーパシんぐは、30年も前にあった事象で、それからかなりの年月が経っていることを考えると
この問題はすぐに解決できそうな気がします。
このように早速解決策が講じられています。
この問題を楽観視しているチームもあります。
でも、果たして本当に解決できる問題なのでしょうか?
1977年、ロータスによってグランドエフェクトカーがF1に持ち込まれ、
1982年、大事故につながる可能性から禁止となるまでの間に
ポーパシング問題を解決できたという内容の資料は発見できなかった。
そして2022年、再導入されたグランドエフェクトカーが実走して浮き彫りになったこの問題。
新しいクルマをつくるにあたって想定もできただろうし、防止する策もとってきたはず。
それなのに、世界中を駆け巡るほどの話題性を持った事象として現れてしまったことを考えると
そんな簡単に解消できる問題ではないのでは?
世界最高峰の技術を惜しみなく注ぎ込む世界なので、解消されていることに期待を持ちながらも、
一方でこの問題がシーズンを左右する問題にならないといいなと祈っているのでした。
次のバーレーンテストでどうなっているのか注目です。
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