Jujuが2022年に参戦するWシリーズとはどういうカテゴリーか?

Wシリーズ

Jujuこと野田樹潤選手が2022年のWシリーズに参戦します。

Wシリーズとは女性レーサーのみで競われるフォーミュラカーレースです。

2018年に発足、翌2019年に初年度を迎えたフォーミュラカテゴリーでは現時点で最も若いシリーズです。

2020年は新型コロナウィルス感染拡大の影響で開催されなかったため、
今年2022年が3回目のシーズンとなります。

Wシリーズとは

女性だけで争われるフォーミュラカーレースチャンピオンシップ。

それがWシリーズです。

これはDAZNのWシリーズの選考会のドキュメンタリーです。
これを見てもらえば、彼女たちの本気度や仲間だけどライバルとしての激しい争いの様子が伝わってきます。

Wシリーズを支えているF1関係者

デイビッド・クルサード(右)

Wシリーズの立ち上がりから元F1ドライバーのデイビッド・クルサード氏が
同シリーズの諮問委員会のチェアマンとして大きく後押ししています。

アドリアン・ニューウィー

また、レッドブルレーシング所属の奇才のデザイナーであるエイドリアン・ニューウィーも
アドバイザーとしてWシリーズに関与しています。

デイブ・ライアン

前述の2人ほど有名ではないかもしれませんが、元マノーF1チームのレーシング・ディレクターを務めたデイブ・ライアンも関与している。

ライアンは34年の長きに渡ってマクラーレンに在籍。
しかし「ライ・ゲート」(2009年オーストラリアGPでスチュワードにウソの報告をするようルイス・ハミルトンに指示をしたという事件)の責任を負って(負わされて?)解雇された人物です。

それからしばらくF1から離れていましたが、マノー・マルシャF1のレーシング・ディレクターとしてF1に戻っていました。

F1でもかなり有名な人物が関わっているということでその力の入れようが伺えます。

Wシリーズの目標はF1ドライバーの輩出

「現時点では、女性のレーシングドライバーは、GP3やF3のレベルで、見えない壁に当たってしまうことが多い。それは多くの場合彼女たちの才能の問題ではなく、資金不足の結果としてそういう状況に見舞われてしまう」

デイビッド・クルサード

そういう理由から、Wシリーズに参戦するドライバーはスポンサーシップの持ち込みを強要されることはありません。

「資金不足の問題を解決することで、女性たちはモータースポーツで活動できる場所を確保でき、彼女たちは必要なスキルを身につけることができる。」-デイビッド・クルサード

「Wシリーズによって、女性と男性のレーシングドライバーが、同じ機会を与えられ、同じ条件で互いに競争することができると確信している」-デイビッド・クルサード

「最高レベルのレースで、男性を相手に成功を収めてきた女性がごく僅かである理由は、能力の欠如ではなく機会の欠如であると私は信じている」ーアドリアン・ニューウィー

Wシリーズが発足する前からも女性ドライバーはこの男性支配のスポーツに果敢に挑戦してきましたが、女性であることを理由に強力なバックアップを構築することができませんでした。

それは現代では多少兆しが見えてきたところもありますが、それ程変わっていません。

Wシリーズは男性に引けを取らない女性ドライバーの発掘、育成を経て、
男性支配のF1という世界に一石を投じるため純粋に速さで競い合うシリーズが期待されます。

レーサーとしての優れた才能同士によるコンペティションにするため、
資金問題を解決する代わりに、シリーズに参加するための厳しいドライバー選考が設けられています。

「そういうわけで、全く新しい、女性だけのシングルシーターのシリーズが必要なのだ。それがWシリーズだ。これにより、女性たちはモータースポーツで活動できる場所を確保でき、彼女たちは必要なスキルを身につけることができる。そして既存の高いレベルのレースシリーズと同等の条件で、最高レベルの男性ドライバーたちと競うことができるのだ」ーデイビッド・クルサード

ニューウェイも、先のように女性がF1で成功できない理由はないと感じていると語っています。

Wシリーズの軌跡

2022年はチャンピオンシップ3年目

2018年に発足したWシリーズは、2019年にシリーズ初年度を迎えました。

翌2020年は新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、残念ながら開催できず。

その代わり『W Series Esports League』というeスポーツのシリーズを立ち上げ、
レギュラー参戦予定だったドライバーらによるバーチャルレースを行ったのです。

コロナ禍であることに変わりはありませんでしたが、2021年は何とか2度目のシーズンを開催。

そして今年3度目のシーズンを迎えようとしています。

今やF1のサポートレースに

シーズン初年度はドイツツーリングカーレース選手権のサポートレースとして6レース。
2年目は8レース(うちダブルヘッダーが2回)開催。2021年はF1のサポートレースとして開催されました。

2022年は10レース開催予定。
年々増えていってますね。
今年も引き続きF1のサポートレースとして世界各国を巡ります。

そしてその中に鈴鹿サーキットの名前が!
F1日本GPのサポートレースとしてWシリーズがアジアで初開催となります!!

新型コロナ感染拡大の状況にもよりますが、今年は有観客で開催されるので
非常に多くのモータースポーツファンの前で走ることになるでしょう。

男性にも引けをとらない女性ドライバーの走りを認知してもらう絶好の機会になりそうです。

日本のモータースポーツファンの間でも盛り上がるシリーズになってほしいです。

ドライバーは選考で決められる

前述の通り、Wシリーズは男性にも引けをとらない女性ドライバーの発掘、育成が目的のひとつとなっているため
参戦するドライバーはWシリーズによる選考制となっています。

初年度に向けての応募者は55人にも上りました。

その中には日本の最速女性ドライバーとも言われている小山美姫選手の名前もあり、
小山選手は見事選考をパスしてWシリーズ初年度から参戦していました。

選考を通った18名がレギュラードライバーとして参加し、
2名がリザーブドライバーとなります。

2年目は、初年度シリーズのランク上位12名は次のシーズンへの参加権があり、
残りの6枠を争う選考となりました。

2022年のシートは前年のランキング上位8名、
そしてアカデミー・ドライバーであるイリーナ・シドルコヴァが自動的に出場権を得ており、9席が確定。

この9名に加え、Jujuをはじめとした11名のドライバーが、
残りのシートを獲得するために3月上旬に行われたバルセロナテストに参加。

Jujuは見事Wシリーズのシートを獲得。
シリーズへの参戦を決定しました。

チャンピオンシップポイント

F1に参戦するためにはFIAから発給されるスーパーライセンスが必要です。

スーパーライセンスの発給にはチャンピオンシップポイントが
直近の3年間で40ポイントが必要です。

そのチャンピオンシップポイントがWシリーズでも獲得できるようになったのは2020年です。

チャンピオンに輝くと15点の獲得となります。
ランキング2位には12点、同3位には10点、以下7点、5点、3点、2点、1点……となり、
上位8名にポイントが付与されます。

「FIAが2020年シーズン以降、Wシリーズの選手権上位8名のドライバーにスーパーライセンスポイントを与える決断を下したことを、非常に嬉しく思います」

「これによってWシリーズが、いつかFIA F3選手権で男性ドライバーを打ち負かしたいと考えている女性レーシングドライバーにとっての“登竜門”になり、より重要性の高いシリーズとなります」

WシリーズCEOのキャサリン・ボンド・ミュールはこのようにコメントしています。

マシンはワンメイク制

マシンはイタリア・タトゥース製の「T-318」を使用したワンメイク。

エンジンはアルファロメオ製の直列4気筒1,750cc ターボ。
それをアウトテクニカ・モトーリがチューニングして搭載。

T-318は2019年よりフォーミュラ・ルノー・ユーロカップで使用されているのと同じシャシーです。

2年連続チャンピオンのジェイミー・チャドウィック

ジェイミー・チャドウィック

これまで行われた2度のシーズンは、イギリスのジェイミー・チャドウィックが連覇しています。

彼女は2022年も現在ウィリアムズF1チームでウィリアムズ・ドライバー・アカデミーに参加することになったので見たことがある方も多いでしょう。

今シーズンにも連続チャンピオンとして参戦。
堂々の3度目のチャンピオン獲得を目指すことになります。

小山美姫選手

一方、小山選手は初年度はランク7位。次シーズンへのシード権を獲得。
2年目はランク14位という成績を残しています。

小山選手は2022年はWシリーズではなく、国内のカテゴリーに活躍の場を移しています。

2022年開幕は5月マイアミで

いかがでしたか。

女性ドライバーだけで争われるフォーミュラカテゴリー Wシリーズ。
どんなシリーズなのかを理解するのに少しでもお役に立てれたでしょうか。

2022年のWシリーズ開幕は5月6日〜8日マイアミです。

F1マイアミGPも初開催なので非常に興味深いですが、女性ドライバーの熱き戦いも見逃せません。

そして、Jujuことこと野田樹潤選手の活躍が今から期待されます。

昨年まではDAZNが放送していたのですが、
4月12日時点で今シーズンのWシリーズの放送は決まっていません。

まだ日にちがあるのでギリギリで放送決定のニュースが飛び込んでくることを願っています。

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