F1はコースを何十周もするスポーツです。
でもグランプリによって周回数は異なります。
それはサーキットやコースの1周の距離が異なるためです。
では、F1は具体的にどれくらいの距離を走るスポーツなのでしょうか?
すべてのグランプリが同じ距離なのでしょうか?
どうやって決められているのでしょうか?
レース距離は305km以上
F1のレース距離は「305km以上の最小周回数」とレギュレーションに定められています。
例えば1周が6kmあるコースを、50周すると300kmになります。
これでは足りません。
51周すると306kmになります。
この場合「305km以上の最小周回数」という条件を満たすことになり、は51周になり、
そのコースにおけるレース周回数は51周となります。
では何故「305km」なのか?
この中途半端な数字に疑問を覚える方も多いでしょう。
これについては明確な理由が探せていません。
305km≒190マイルだから ということを理由に挙げている場合も見受けられるのですが、
「じゃあ、なぜ190マイルなの?」という理由には言及がありません。
300km、200マイル、といったようなキリのいい数字の方が無条件に受け入れやすいものです。
レースは2時間で打ち切り
レースの周回数の定義は前述の通りですが、時間的な規定もあります。
レース開始後2時間が経過した時点で、規定周回数を満たしていなかったとしても
その周回が最終周になります。
俗に言う「2時間ルール」というものです。
このルールが適用されるのは、モナコGPのようにもともとレース時間が長いグランプリが、
雨の中でのレースとなった時などで見られます。
サッカーは試合時間が90分、延長戦に入れば120分となり同じくらいの長さ。
しかしF1とサッカーとの間で決定的に違うのは、F1には途中休憩がないこと。
現代における有名なスポーツにおいてそれ程長時間で途中休憩がないスポーツは
マラソン以外にパッと思いつきません。
F1はそれだけ競技者にとって過酷なスポーツと言えます。
ちなみに、1994年頃を基準とした話になりますが、
1回のレースでは、時速12キロで2時間ジョギングするのと同じくらいのエネルギーを消費するそうです。
さらに付け加えれば、外気温が20~25℃の場合、F1の狭いコクピット内の温度は40℃程になってしまうらしいです。
40℃の中12km/hの速さで2時間休憩なしでジョギングする。
まず40℃の中でジョギングすると想像しただけで苦しく感じるのに、
休憩なしで2時間ジョギングするとは過酷以上の何者でもない。
何故「2時間」なのかに関しては明確にその理由に言及している資料を見つけることができていませんが、この過酷な条件下ではそれが限界値だということと関係があることは間違いなさそうです。
モナコグランプリだけは例外

2022年現在、年間で20レース以上が開催されているF1ですが、
ある1つのグランプリのレース距離が、規定の305kmに満たないコースがあります。
それはモナコGPです。
モナコGPは、常設されているサーキットではなく、市街地をコースにします。
レースをするためにつくられたサーキットとは異なり、コース幅が非常に狭く、長いストレートもありません。
そのためF1が走行する平均速度は非常に低くなっています。
こういった特徴を持つコースのため、305km分を走るとなると軽く2時間以上かかってしまうのです。
モナコGPのレース距離は約260km。
規定より45kmも短い。
だから周回数は78周。
圧倒的に多い。
他のグランプリは50周台から60周台がほとんどです。
この260kmという距離は、モナコのコースをF1で走行するとこれぐらいの距離で2時間以内に収まるはず、という理由で決められているようです。
F1レースの距離 まとめ
以上、F1レースの距離についてでした。
東京から約300kmといえば、
東海道方面なら愛知県豊橋市辺り、
新潟方面なら燕三条辺り、
東北方面なら宮城県白石蔵王辺り です。
そこまで休憩なしで、1時間30分から2時間で走る競技。
これがF1をプロスポーツとしている所以なのでしょう。
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