
最後尾スタートのアレックス・アルボンが大胆な戦略と見事なドライビングで、
自身とチームにとって2022年シーズン初のポイントを獲得しました!
ハードタイヤを履いて20番手からスタートしたアルボン。
57周に渡ってハードタイヤで走り続け、最終ラップでソフトタイヤに交換、
見事10位でゴール。ポイントを獲得しました。
お世辞にも良いスタートを切れたとは言えない2022年シーズンですが、
自分たちの立ち位置を理解し、その上で立てた戦略を見事決めることができた最高の週末になったことは間違いありません。
たかが1ポイント、されど1ポイント。
まだポイントフィニッシュできてないアストンマーチンを後ろに従えて
コンストラクターズチャンピオンシップは9位に上がりました。
またも揃ってQ1敗退の予選
予選結果は以下の通りです。
順位 | ドライバー | タイム | 差 | チーム |
1 | マックス・フェルスタッペン | 1:17.868 | ||
15 | ミック・シューマッハ | 1:20.104 | +2.236 | |
16 | アレックス・アルボン | 1:20.135 | +2.267 | |
19 | ニコラス・ラティフィ | 1:21.372 | +3.504 |
アルボンはわずか+0.031秒差で予選Q2進出を逃すことになりました。
Q1最後のタイムアタックで1:20.135を記録しましたが、
その時点ではまだノックアウト圏から抜け出すことができず。
そしてQ1は残り2分のところで赤旗中断。同じタイヤで2周目の計測に入れませんでした。
その赤旗にチームメイトが関わっているところにツキのなさを感じます。
予選Q1再開後はノックアウト圏の誰もがタイムを更新できずに終了。
一方ラティフィはアストンマーチンのランス・ストロールとの接触で先述の赤旗の原因をつくり、
以降のタイムアタックを諦めざるを得ませんでした。
「Q2進出が難しいことは分かっているし、チャンスを得るためにはすべてをうまくやる必要がある。
「セッションは順調で、タイヤもよく機能していた。アレックスはプッシュラップごとに着実に前進し、赤旗中断の際には残り1回のアタックを行った。
「彼はいいポジションにいたし、タイヤの準備も万端だっただけに、最終的な結果を見ることができなかったのは残念だ。
「セッションが再開されたとき、全員がファイナルラップに入る時間がないことはわかっていたので、良いコースポジションを確保するためにピットレーンに並ぶことを選んだ。その代償としてタイヤの温度が下がってしまったが、この時点では失うものはほとんどなかった。
「残念ながら、混雑したコースと冷えたタイヤのために、アレックスはポジションを上げることができなかったが、この状況下では勇敢な努力だったと思う。
車両性能責任者のデイブ・ロブソン
Q1落ちしたのはラティフィと接触してノータイムだったアストンマーチンのストロール、
トラブルでセッションぎりぎりで1回のみのタイムアタックしかできなかった同じ口アストンマーチンのセバスチャン・ベッテル、イニシャルセッティングが大外れだったハースのケビン・マグヌッセンというメンバーを考えると、ウィリアムズのクルマの序列が自ずと見えてきます。
第2戦から多少時間がありましたが、クルマの速さを引き出す開発ができないと
今シーズン1年を通して上にチャレンジできないシーズンとなってしまいます。
第4戦からヨーロッパラウンドが始まるので、そのタイミングでのペースアップに期待したいところです。
レースではチームメイト同志の差が明確

決勝レースはアルボンが勇気ある大胆な戦略で臨んだ。そしてアルボンは見事にそれをやってのけたのだ。
「今日の結果にはとても満足している。今朝は、最後尾からスタートするレース予想を見て、とても悲しい気持ちになった。」
「リスクを冒しながら、タイヤがいい状態になるのを待ったレースだった。」
「レース終盤の25周は、まるで予選を走り続けているような感じだった。僕にとっては、ファクトリーやサーキットで行われてきた作業の成果を示すものであり、チームの決意とモチベーションを示すものだ。」
「今日は素晴らしい一日だった。」ーアレックス・アルボン
ウィリアムズF1チーム公式HPより

「アルボンはプライムタイヤ(ハードタイヤ)のスイートスポットを見つけることができたのでレースペースが良かった。そしてライバルたちよりも遥かに少ないデグラデーションを実現した。」
「アルボンの戦略はプライムタイヤでとても長くスティントをこなすものだったから、セーフティカーが入るたびにピットインを選択しなかったことで何かマシンに(良くないことが)起こるかもしれないと不安を覚えながら、可能な限りプライムタイヤとの相性の良さをレースに活かそうとトライした。」
「デグラデーションによって後続車がペースが落ちたことと、アルバートパークサーキット特有のオーバーテイクの難しさの恩恵もあって、最終ラップ直前のピットストップで、ポイント圏内でのレース復帰を可能にするギャップをつくることができた。」
「アルボン同様、すべてを完璧にこなさないといけないという大きなプレッシャーの中、ピットクルーたちは非常に良い動きを見せてくれて、アルボンはアウトラップでも十分に速く走り、10位を確保する事ができた。」
「前2日間の浮き沈みを考えれば、これはチーム全体にとって素晴らしい結果だ。」ーデイブ・ロブソン(車両性能の責任者)
ウィリアムズF1公式HPより
僅かなチャンスをものにできたのは、アルボンの走りだけではなく、チームスタッフの懸命な努力も加わったチーム全体の力によるものだと主張した。
今シーズンからメルセデスに移籍したジョージ・ラッセルの活躍もあり昨年は近年の最下位から脱出したイギリスのプライベーターチームは、現在置かれている状況を総力を上げて変えようとしている。
競争力がないクルマで惰性でシーズンをこなすというような姿はもうない。
「ラティフィは、アルボンとはまったく異なる戦略で、より難しいレースを展開した。」
「2台ともプライムタイヤ(ハードタイヤ)でレースを進めたかったが、ラティフィにはアルボンのようなリスクの高い作戦をとらず、レース序盤にオプション(ソフトタイヤ)スティントを完了させることにした。」
「しかし最初のスティントでは他のマシンと同様にデグラデーションが見られ、それがラティフィの戦略を難しくしてしまった。」ーデイブ・ロブソン(車両性能の責任者)
ウィリアムズF1公式HPより

ラティフィだけのせいではないのかも知れないが、
昨年からスピンやクラッシュが続いていることにどうしても目が行ってしまう。
まずはしっかりトラブルフリーのグランプリを過ごしてほしいものだ。
すでにドライバーの力量という点においてはアルボンと大きな差ができてしまっている感は否めない。
まとめ:地道な開発に期待
今回は大胆な作戦を成功させたことで見事な入賞を果たしたウィリアムズチームでした。
しかし、開幕戦バーレーン、第2戦サウジアラビア、そして今回オーストラリアのコースが少々特殊なものだったとは言え、純粋な速さという点でウィリアムズは他チームに溝を開けられているということが明らかです。
これまではメルセデスの凋落ぶりが何かと話題になっていますが、
サイドポンツーンのデザインはメルセデス同様ゼロサイズのコンセプトとなっているウィリアムズ。
もちろんここだけが原因ではないのでしょうが、車が遅い要因はココにあるのかも知れませんね。
(とはいえ、真逆の発想であるアストンマーチンも遅いのですが。。)
クルマの規定が大幅に変更になった今シーズン、チーム序列の変化にチーム関係者もファンも期待しましたが、蓋を開けてみるとウィリアムズに関しては後退といったところです。
まずはアストンマーチンよりも高いポジションを維持して、
アルファタウリを捉えることを目標に中盤戦に入っていってもらいたいですね。
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