「お金がないんです。経済的な支援もありません。」
多くの女性レーサーが同じ問題に直面しています。競技を続けるためのスポンサーを見つけることが非常に難しいという問題。
マルタもそのうちの1人でした。
もしWシリーズがなかったら、もうレースはしていなかっただろうと語っている。

マルタは2017年にフォーミュラ4スペイン選手権に参戦。同じ年、ルノー・スポール・アカデミーに参加しています。しかしスペイン選手権がランキング9位に終わった後、残念ながらルノーからの後ろ盾を失うことになり、経済的な理由からマルタはレースキャリアを中断せざるを得なくなりました。
しかしWシリーズへの参加資格を得ることができ、スポンサーを持ち込む必要がなくなったため、マルタは2019年にモータースポーツの世界にカムバックすることができたのです。レースを中断してから1年以上が経過していたWシリーズ初戦のホッケンハイムリンクで、なんとマルタは表彰台に上ったのです。
「この3年間で、スポーツ界からの女性に対するサポートはかなり増えてきています。それは私が本当に欲していたものでした。モータースポーツを続けることができて本当によかったです」ーマルタ・ガルシア
第4戦ノリスリンクでは初ポールポジションから初優勝を果たし、シーズンのランキングを4位で終えました。将来の有望性を示したはずなのですが、コロナウィルスの感染拡大のために翌2020年はシーズンがキャンセルとなってしまいました。

2021年はWシリーズが復活。一部のF1レースをサポートするようになり以前より規模が大きくなりました。マルタはプーマ・レーシングの一員として参戦しましたが、彼女が望むように事が運ばず、最終戦を戦わずしてシーズンを終えることとなってしまいました。
「最後のレースは問題があって出られなかった。そしてそれ以降は何もしていない。体力トレーニングや翌年のための準備はしてきたけど、クルマに乗ったトレーニングはしていない。カートにさえも乗ってないの。」ーマルタ・ガルシア
彼女は不安のあまり、最終戦の出場を辞退した。
この若いドライバーは、ソーシャルメディアで自分の経験を共有した。
「時に私たちは自分のメンタルを過小評価することがあります。私は長い間不安に悩まされ続けていて、今シーズンもずっと不安がつきまとっていたのです。そして昨日は、レースをすることよりも自分の健康を優先させなければならないと感じたのです。レーサーとしてそういうことを口に出すのは難しいことだけれど、それが私にとって最善のこと思いました。」ーマルタ・ガルシア
マルタはこういった重要なテーマに関して自分自身の気持ちや考えを表現することで多くの人々に影響を与えており、マルタに影響を受けた人たちがマルタをフォローするのです。
「ソーシャルメディアは本当に重要で、大きな力を持っています。それは、人々が実現不可能だと考えてきたことに挑戦する手助けになる程。私は、女性や夢を持っている人たちにインスピレーションを与えたいと思っています。私がソーシャルメディアで気持ちや考えを表現するのが好きなのはそのためなのです。」ーマルタ・ガルシア
2022年、マルタはWシリーズのグリッドに戻ってきました。彼女は女性たちに向けてインスピレーションを発信し続けるでしょう。彼女はこの新しいシーズンに、今までとは違う考え方で臨むことで自分にプレッシャーをかけたくないと思っています。
だからといって、マルタがレースで勝つことを目標にしない、ということではありません。
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